モロッコ旅の中でも、特に楽しみにしていたサハラ砂漠。「砂漠に泊まってみたいなあ」という小さな夢を、ついに叶えることができました。
まるで映画のワンシーンのような体験…になるはずが、実際はちょっと予想外の展開もあって。笑
そんな砂漠の一部始終をお届けします!
真っ暗な砂漠の町に放り出された朝
フェズからは夜行バスで約10時間。メルズーガに到着したのは早朝6時過ぎ。
まだ真っ暗な中に白い服をまとったモロッコ人男性たちがぽつぽつと歩いていて、まるで魔法使いみたい。バスの窓から見たその光景が、なぜか強く目に焼きついています。
降りる予定のバス停の1〜2つ手前で、他の乗客たちが全員下車。私たち夫婦だけが取り残されるという、なんとも心細い展開に…。無事に降りたはいいものの、キャンプのスタッフが迎えに来てくれるのは3時間後。砂漠の町の夜明け前、ちょっとしたサバイバルです。
降りてすぐ、「僕の宿で休んでいかない?ツアーも組んであげるよ」と話しかけてきたのは、またしても魔法使い(のような)男性。ありがたいような怪しいような…。結局、夫の即断バッサリ拒否(笑)により丁重にお断りし、バス停の目の前のカフェ「Dream Café Merzouga」でおとなしく時間をつぶすことに。
このカフェ、本当に救世主でした。周囲に他のお店がまったくない。
メルズーガって、もう少し栄えてるのかと思ってた…けど、夢から覚めたような静けさです。
困ったら、ここに逃げ込んでください。(笑)コンセントもありましたよ。
ローカル感満載ツアーのススメ
砂漠での過ごし方といえば、砂の上でぼーっとしたり、サンドボードに挑戦したり、ラクダに乗るツアーに参加したり。ツアーは、どこのキャンプ(ホテル)でも手配してくれることが多いので、宿泊先で気軽に予約してみてくださいね。
ベルベル人の暮らしを知るツアー
10時に待機していたカフェまでお迎えにきてもらい、その足でベルベル人の生活文化に触れるツアー(約4時間)に参加。値段は一人1万円くらいだったかなあ。
ほとんどの遊牧民が街に移り住んでしまったそうですが、観光客のためにサハラ砂漠に残っている遊牧民の元を訪ねたり、絨毯などを扱うお店に立ち寄ったり、グナワ音楽を聴きに行ったり。さらに、砂漠のど真ん中にぽっかり現れる不思議な池にも案内してもらいました。
いろいろな場所に連れて行ってもらったけれど、正直いちばん印象に残っているのは、目印ひとつない砂漠の中を、まったく迷わずグングン進んでいくドライバーさんの地理感覚。(笑)
一面、砂しかないのにどうして場所がわかるのか不思議でたまらず聞いてみたら、「ここで生まれ育ってるから、感覚でわかるんだよ!」って。いや、もう、すごい。すごすぎる…。




ラクダ乗りツアー(豪雨つき)
ベルベル人のツアーから帰ったら、すぐにラクダ乗りツアーへ出発!翌日の朝サハラ砂漠から出発する予定だったので、「これでもか!」とアクティビティを詰め込みました(笑)
ちょっと雲行きが怪しかったので、ツアーから帰ってすぐに出発しましたが、ラクダに乗りながら夕日や朝日を見るツアーもあります。天気がよければ、是非そっちを。
そういえば、大学の卒業旅行でバリ島を訪れたときにも、海辺をラクダに乗って散歩したことがあるんです。「え、バリでラクダ?」って自分でも思うんですけど(笑)やっぱりラクダは、砂漠が一番しっくりきますね。
今回のツアーでは、フランス語しか話せないベルベル人のキャメルボーイに案内され、所要時間すら分からないまま出発。奥へ進むにつれて、足元の砂がどんどんサラサラになっていって、一面オレンジ色の世界が広がって。「わあ……」って、思わず声が漏れるくらい感動しました。



こんな経験、人生でそう何度もできるもんじゃないなあと思いながら、ラクダの背に揺られて静かな時間を噛みしめていました。「空がもっと青かったらもっと素敵だったんだろうなあ」なんて贅沢なことを思いながら…。
で、ラクダさんの乗り心地なのですが――とにかくお尻が痛い!(笑)
乗り始めてすぐに、「あれ?これ、意外とハードなのでは…?」と。案の定、足もお尻も腕も筋肉痛に。途中で「これ、どのくらい乗るの?」と携帯の翻訳機能を使って聞いてみたら、「1時間半だよ~!すぐだよ~!」と返ってきて、思わず絶句。30分くらいだと思っていたのに…!
何日も砂漠を移動しながらラクダに乗っていた乃木さんや野崎さん(by VIVANT)は、やっぱりすごかったんですね…。でもそれ以上に、文句も言わず私たちを乗せて、黙々と進んでいくラクダさんの姿にじーんとしてしまって。けなげというか、なんというか…。食べ物がなくても、2週間は生きられるそうです。本当にすごい動物です。
そうそう、サハラ砂漠って、イメージ通りほとんど雨が降らない場所らしいんです。月に1回降るかどうかなんだとか。そんな場所で呑気にラクダに揺られていたら、なんと空からポツポツと雨が…!
「うそ~!?」と大騒ぎする私たちを見て、キャメルボーイは手を広げて「素晴らしいじゃないか!」というリアクション。
たしかに、この土地では雨は“恵み”なんですよね。
そのことにふと気づいて、なんだか胸がじーんとしました。
……と思っていたら、その雨がどんどん強くなって、ついには豪雨に(笑)
サハラ砂漠でずぶ濡れになりながらラクダに乗っている自分たちの姿が、もうおかしくて、おかしくて。笑いながら、でも確かに「一生忘れない思い出ができたなあ」と思いました。行きの飛行機で『VIVANT』をNetflixで観ていたおかげで、その壮大な景色もより一層楽しめた気がします。
次回は宿泊先のキャンプをご紹介しますね!お楽しみに。
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