港の街カサブランカからゴトゴト電車に揺られて4時間。いよいよ迷宮の町フェズに。
フェズでの迷宮メディナ体験
1980年代にユネスコ世界遺産登録されているフェズの旧市街。一本踏み入れるとアラジンの世界に迷い込んだよう。旧市街は高い壁に覆われていて、迷路のように小道が広がっています。突然香るスパイスの香りや、そこら中に適当に飾られている絨毯、道端でミントティーを嗜むモロッコ人のおじちゃん。そして、気持ちよさそうにあちこちで寝ている猫。なんだか、5感を刺激される不思議な街。
「あれ?さっきもここ通った?」はもはや口癖になっていました。
迷子になりやすいので、旧市街巡りは現地のガイドが推奨されていることが多いです。お店に観光客がガイドらしき人と入っている姿をよく見かけました。ですが、私は断然自分で歩く派です。
ローカルな魅力があふれている場所なのに、事前に用意されている観光客向けのお店に、案内されるのって何だか悔しくないですか?あまのじゃくなんでしょうね。
行きたい場所にはGoogleマップがあれば、問題なくたどり着けます。自分の感覚を頼りにふらっと散歩すると、気づかないうちに無限ループにハマっていくわけです(笑)それもまた楽しみながら、迷宮メディナの世界に浸りましょう。
フェズのおすすめグルメ
フェズは推定8万件ほどのお店がぎゅうぎゅうに詰まった迷宮都市。そんなカオスの中から、「これは!」と思ったとっておきのグルメを厳選してご紹介します。
おすすめの体験については、次の記事でゆっくりと語らせて下さい。
🍃Abdullah Thé & Café ミント仙人が営むミントティーやさん
モロッコといえばミントティー。中国茶にたっぷりのミントとお砂糖をいれてつくります。日本人にとってのお茶と同じくらい、モロッコ人にとってミントティーは日常生活に欠かせないもの。ハーブティーをあまり好まない私ですが、ミントティーはベースが中国茶だからか、美味しくてこの旅でハマってしまいました。
モロッコに来たからには「究極のミントティー」が飲みたい!と思い、見つけたお店。陽気なおじいちゃんが笑顔で迎え入れてくれます。(私は密かに「ミント仙人」と呼んでいます。)


お店は色々な種類のミントが山積みに。座ると、まだ頼んでもいないのに「ほれ、嗅いでみな!」とたくさんミントを差し出してきます。種類によって香りが全然違って面白い。仙人は英語を話さないので、お互いの言語で大きな身振り手振りで心を通わせる時間も心地よい。
そのまま、ミントの束をプレゼントしてくれた。嬉しいけど、このミントたちどうしよう…とちょっと困ってしまったのはここだけの話。
ミントティーを飲む前から「来てよかったなあ」と思えるそんなお店でした。肝心のミントティーも、仙人のこだわりなだけあって、香りも味もすーっと染みわたってとても美味しい。
「ミントティー飲めるかな…」と躊躇していた夫も「おいしすぎる!」と。夜寝る前に何度も「あのミントティー美味しかったね」と繰り返していました(笑)
🥪Abdul Rahman 地元で愛されるサンドウィッチやさん
何でか忘れてしまったのですが、モロッコのサンドウィッチが食べたい!という欲がふと湧いた私。迷宮のような旧市街を歩いていると、おじいちゃんがアツアツの鉄板の上で作っている美味しいサンドウィッチやさんを見つけました。
バックパッカーみたいなお兄さんもちらほら。スパイスがガツンと効いた味を想像していましたが、食べてみるとおじいちゃんの人柄が感じられるような、ほっと優しい味でした。


料理って、作る人の人柄が滲み出るというか、同じレシピでも誰が作るかで味の感じ方って変わってくる気がします。このお店のサンドウィッチは、まさにそんな「人の味」がしました。
☕Drink&Smile 見て楽しい&飲んで美味しいスパイスコーヒー
「スパイスコーヒー」のワードに惹かれ、目をつけていた場所。イマドキ風な店員さんは目が合った瞬間からウェルカムな雰囲気で、迎え入れてくれました。
熱した砂の中でコーヒーを煮出す、昔ながらの淹れ方。見てるだけでわくわくします。看板商品のスパイスコーヒーと、ココナッツコーヒーを注文しました。


スパイスコーヒーは、スパイスをがっつり感じるチャイとは違って、ふわっと香るかんじ。ココナッツコーヒーは香ばしいココナッツとほろ苦いコーヒーの相性が抜群でした。
特にお気に入りのココナッツコーヒーはお土産にも買っちゃいました。「紅茶も飲んでみな!」ってサービスしてくれた気前の良い店員さん。お腹がタプタプで死にそうに(笑)
🍴Koulthai 絶景つきのタイ料理やさん
モロッコといえば、タジン鍋、ケバブ、豆スープ。モロッコのレストランは大体どこもこの3本柱。すごく美味しいんです。…が、2日もすれば「またタジンか…」と脳が無言になってしまうんです。普段は旅行先の料理をとことん楽しむ派の私でも、この旅で一番大変だったのは?と聞かれたら、「食」と即答するくらい(笑)
そんな中、みつけたこちらのお店。


「テラスがいい?」と聞かれたので、せっかくだから…と階段を上ってみると、目の前に広がるフェズの絶景!思いがけない光景に、「うわあ!」と声がでました。
メニューを開くと、タイ料理に加えて、YAKITORIやSUSHI、フォーなど何だかアジア料理のオールスターズ状態。「あれ?ここ大丈夫かしら?」と一瞬ざわつきました(笑)でも安心してください。日本で食べる美味しいタイ料理やさんのような安心できる美味しさでした。
味にほっとして、景色を楽しめる。こんな「ちょっと休憩」にぴったりなお店です。モロッコ料理に飽きてきたら、ぜひ思い出してみてくださいね。
☕Cafe Clock モダンなモロッコカフェ
「一味違うモロッコ料理が食べたい!」というときにおすすめなのが、このお店。
実はどうしても本場の「ファラフェル」が食べたかったんです。ファラフェルはひよこ豆をつかったコロッケのような料理。意外とローカルレストランで見つけられず、ようやくみつけたここ。
スパイスカプチーノも合わせてオーダーしました(そうなんです、私はスパイスがすきなのです)。

ファラフェルは周りがガリっと、中はホクっとしてて、スパイスもふんわりと感じました。野菜も新鮮で「おお!おいしいおいしい!」と夢中になってむしゃむしゃ食べてしまいました。
店内はモダンで落ち着いていて、フェズにいながらちょっと気分転換ができる、そんな場所でした。ザ・モロッコなごはんにちょっぴり飽きてきたら、ここで休憩するのもおすすめです。
🍊路面のオレンジジュースやさん
街のあちこちにオレンジジュースやさんがあります。このオレンジジュースが美味しいのなんの。お値段も200円ちょっと。フェズでは2日で4杯も飲みました。もう身体が勝手に吸い寄せられていく感じ。「生き返る~!」って何度いったか分かりません(笑)

お店によって機械でギュイーンと絞ってくれたり、手でぎゅうぎゅう絞ってくれたり。絞り方の個性も何だか可愛い。フェズ以外の街でも、見つけては飲み、また飲み……。
たぶんモロッコに旅する人、全員オレンジジュースにハマると思います。いや、絶対。
はじめての日本人、そしてまさかの一言
ローカルなモロッカンレストランにももちろん何軒か行きました。「Chez Rachid」(Googleマップで場所を見る)に行ったときの話。モロッコに降り立ってから2日目の夜。
旧市街の中でも、ガヤガヤと人通りの多い道に面したこのお店。しかも、なぜか私たちの席だけピョンと飛び出していて、通りがかる人からの視線を感じる仕様。
「これもローカル感を楽しむということでいっか」と人の目線を感じつつ、ケバブやナスのグリル、ケフタ(ミートボールが煮込まれた料理)を頼んで、パクパク美味しくいただいていました。



すると、角から歩いてくる2人組。ん?…あっ、日本人!?ふたりして顔を見合わせ、テンションが一気に急上昇。モロッコに来てから初の日本人との遭遇です。が、そのふたり組、わたしたちのテーブルの横を通りすがりに、ぽつりとひとこと。
「うわ、すっごい席。」
………………。あまりの温度差に一瞬フリーズ。そのあとはしばらく、夫と2人で涙が出るほど笑い転げていました。ちょっぴり空しいけれど、こういうずっこけた経験が大好物な私たち。
おいしいエピソードを提供してくれたあの日本人カップルには、密かに感謝しています。
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次回はフェズでのおすすめ体験編!
【モロッコ旅行記①】異世界に浸った13日間のモロッコ旅|モデルコース・移動手段など | 旅とごはんのちいさな発見記
【モロッコ旅行記④】フェズ編|体験してほしい3つのコトとおすすめのホテル
【モロッコ旅行記③】フェズ編|迷宮の中で見つけたローカルな魅力
【モロッコ旅行記④】サハラ砂漠・ワルザザート編|人生で一度は見たい星空と砂の世界
【モロッコ旅行記⑤】マラケシュ編|モロッコで一番カオスな街、そしてお土産紹介!
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